
Breeding Plan
ENSO Garden Kennel の繁殖プログラム
ENSO Garden Kennelは、
ラゴット・ロマニョーロを「作業犬」として未来へ残したいと考えています。
私たちが目指しているのは、
すべての犬を同じ性格にすることではありません。
ラゴット・ロマニョーロには、
人と自然に協働できる犬もいれば、
自ら仕事を見つけ、強い意欲を持って動く犬もいます。
慎重に環境を観察する犬。
まず行動し、経験の中から学ぶ犬。
人の意図を自然に読む犬。
自分で考え、納得してから動く犬。
同じ犬種でも、その気質や能力は一頭ずつ違います。
私たちは、その違いを単純に
「飼いやすい犬」
「飼いにくい犬」
という基準だけで評価しません。
犬が持つ資質を観察し、
何を残したいのか。
何を補いたいのか。
その組み合わせから、どんな可能性が生まれるのか。
それを考えることが、私たちのブリーディングです。
Italian Bloodlines
繁殖プログラムの基礎となるのは、
イタリアのラゴット専門犬舎 Del Carpino Nero Kennel の血統です。
Del Carpino Neroでは、
健康・犬種標準・作業能力・気質を総合的に評価しながら
長年繁殖が続けられてきました。
ENSOはその考え方を受け継ぎ、
日本の環境で実際に犬と暮らし、
観察しながら独自のブリーディングを行っています。
Breeding Philosophy
繁殖理念
ENSOでは、繁殖犬を血統やショータイトルだけで選ぶことはありません。
もちろん、健康検査、血統、身体構成、犬種としてのタイプは重要です。
しかし、それと同じくらい私たちが大切にしているのが、
実際にその犬と暮らすことで見える気質と能力です。
環境が変わった時、どう反応するのか。
初めて見るものに、どう向き合うのか。
興奮したあと、自分で落ち着くことができるのか。
人の言葉や意図を理解しようとするのか。
自分で考え、判断することができるのか。
匂いを追い、仕事を見つけた時、どれほど集中できるのか。
犬や人との関係の中で、何を学ぶのか。
私たちは日々の生活、散歩、山での活動、ノーズワーク、
トレーニング、犬同士の生活を通して、それぞれの犬を観察しています。
繁殖で重視しているのは、
健康と健全な身体構造。
ラゴットとしての犬種タイプ。
環境に適応し、経験から回復する力。
人とコミュニケーションを築く力。
自ら考え、判断する力。
匂いを探し、集中して仕事を続ける能力。
そして、その犬自身が持つ意欲です。
Selection Breeding
Riproduzione Selezionata
イタリアでは
犬種保存のために
Riproduzione Selezionata(選択繁殖)
という考え方が大切にされています。
これは
-
健康
-
気質
-
血統
-
犬種標準
-
作業能力
を総合的に評価し
計画的に繁殖を行うという理念です。
これはショーの成績だけではなく、
健康・気質・犬種標準・作業能力を総合的に評価し、
次の世代へ受け継ぐべき資質を選択するという考え方です。
この理念を基盤に
犬種の未来を考えた繁殖を行っています。
Arte Viva と Materia Prima
評価カテゴリー
ENSOでは、特に大切にしたい資質を持つ犬を、
二つの評価カテゴリーで表しています。
Arte Viva
犬種としての質と、精神的な安定性。
高い活動能力を持ちながら、動かなくていい時を知っている。
人と協働し、自分で考え、環境の中で行動を調整できる犬。
ENSOが繁殖の中で残したい、ラゴットとしての総合的な質を持つ犬です。
Materia Prima — Working Prospect(将来性のあるワーキングライン)
ENSOが見逃したくない可能性。
強い好奇心。
高い作業意欲。
自己判断力。
運動能力。
誰にでも育てやすい犬ではありません。
しかし、その犬を観察し、
適切な仕事とトレーニングを与えられる人にとっては、
大きく能力が開く可能性があります。
磨く人によって、その能力が開く犬。
いわば、玄人向けのWorking Prospectです。
Arte VivaとMateria Primaは、犬の優劣を表すものではありません。
私たちが見ているのは、その犬がどこに価値を持ち、
何を次の世代へ残すことができるのかです。
Future of the Kennel
犬舎の未来
多くの犬を生み出すことよりも
犬種の価値を守る繁殖を大切にしています。
ラゴットという犬種が持つ知性、作業能力、人との深い関係
を次の世代へ受け継ぎながら
長く愛される犬種であり続けることを願いながら
その小さな役割を担っていきたいと考えています。
Breeding Plan
今後のブリーディングプラン
これまでの組み合わせから生まれた子犬たちの傾向をご紹介しています。
親犬の性質によって、子犬の雰囲気や行動には一定の傾向が見られます。
(一部将来の予測も含みます)
Maia × Nyorota
ENSOのFoundation
ENSO Garden Kennelのブリーディングは、
MaiaとNyorotaから始まりました。
Maiaは、周囲をよく観察し、自分で状況を判断する犬です。
高い運動能力を持ちながら、
必要のない場面では静かに過ごすことができ、人の意図を自然に読みながら行動を調整します。
Nyorotaは、家族や自分の群れへの意識が強く、
自分が守るべきものをよく見ている犬です。
慎重に環境を確認し、一度理解したことには安定して対応する。
そして、鼻を使う仕事では高い集中力を見せます。
この二頭から生まれた犬たちは、
同じ兄弟でもそれぞれ違う個性を持っていました。
人との協調性が自然に高い犬。
自分で仕事を見つける犬。
慎重に周囲を観察する犬。
強い作業意欲を持つ犬。
私たちは、この繁殖から「良い犬は一つの型ではない」
ということを学びました。
MaiaとNyorotaが持つ資質は、
その後のENSOのブリーディングを考える基準になっています。
この繁殖を通して私たちは、
犬をよく見ること。
兄弟一頭一頭の違いを見ること。
そして、その犬がどこに能力を持っているのかを考えること。
を学びました。
私たちのブリーディングの出発点となった組み合わせです。
Maia × Togo
安定性と前進力
Maiaは、環境を観察し、自分で状況を判断できる犬です。
高い運動能力を持ちながら、必要のない場面では静かに過ごすことができ、
人とのコミュニケーションを自然に築くことができます。
一方Togoは、前向きな気質と作業への意欲を持ち、
人への意識が切れにくいタイプです。
Maiaの持つ精神的な安定性と判断力。
Togoの持つ前進力と、人と仕事をする意欲。
この二頭の組み合わせでは、
自ら考える力を持ちながら、
人とのつながりを失わない犬
を目指します。
家庭犬としての安定性と、作業犬としての能力。
ENSOが目指すラゴットの基礎となる組み合わせです。
Pico × Togo
自ら仕事を見つける犬に、人とのつながりを
Picoは、自ら仕事を見つける犬です。
鼻を使うことへの意欲が強く、興味を持った対象に対して高い集中力を見せます。
人の指示を待つよりも、自分で考え、自分で動く。
非常にラゴットらしい作業性を持つ一方、
その強い自己判断力は、育てる人によっては難しさとして感じられるかもしれません。
Togoの魅力は、前向きに動きながらも、人への意識が切れにくいこと。
Picoの強い探索意欲と自己判断力に、Togoの人との協働性を組み合わせる。
私たちが目指しているのは、
自分から仕事を見つけるのに、人への意識が切れない犬。
強い鼻。
仕事への意欲。
そして、人と共に働く力。
Working Lagottoとして非常に興味深い組み合わせだと考えています。
Norn - Arte Viva
観察し、考え、調整する力
Nornは、周囲をよく観察する犬です。
人や犬の動きを見て、自分の行動を調整する。
必要以上に騒がず、それでも遊ぶ時には高い運動能力を見せます。
人との協調性が自然にあり、環境の中で自分の位置を見つけることが上手なタイプです。
Nornについては、今後の成長、身体構成、作業性を継続して観察します。
その上で繁殖犬として評価した場合には、
この安定性と観察力を、どの能力と組み合わせるのか
を考えて交配相手を選びます。
現在はArte Vivaとして、その成長を観察しています。
Urthr - Materie Prima
ENSOが見逃したくない可能性
Urthrは、誰にでも扱いやすい犬ではありません。
強い好奇心。
高い運動能力。
環境への前進力。
そして、自分で確認し、自分で判断しようとする強い意志があります。
人に言われたから動くのではなく、
「これは何だろう」
「私はどうすればいいのだろう」
と、自分で考える犬です。
そのため、人とのコミュニケーションが十分に育つまでは、
その自己判断力が扱いにくさとして現れることもあります。
しかし、仕事を理解する力。
褒められることで伸びる力。
環境を恐れず経験しようとする力。
身体能力。
私たちはUrthrに、大きなWorking Prospectとしての可能性を感じています。
Urthrについても、今後の成長と作業適性を長期的に観察します。
繁殖犬として評価した場合、私たちが考えるのは、
Urthrの強い意欲を消すことではありません。
その前進力と自己判断力を残しながら、
人との協働性をどのように組み合わせるのか。
Urthrは現在、Materia Primaとして、その可能性を観察している犬です。
私たちが残したいもの
私たちは、完璧な犬を作れるとは考えていません。
遺伝には予測できない部分があり、
同じ両親から生まれた兄弟でも、それぞれ違う犬に育ちます。
だからこそ、犬をよく見る。
親犬を知る。
生まれた子犬を育てる。
巣立った犬の成長を追う。
そして、その結果を次の繁殖へつなげる。
ENSO Garden Kennelは、まだ始まったばかりの小さな犬舎です。
だからこそ、一頭一頭を観察し、考え、記録しながら繁殖を続けたいと思っています。
私たちが残したいのは、ただ飼いやすい犬ではありません。
ラゴット・ロマニョーロという犬種が持つ、
鼻、知性、判断力、作業意欲。
そして、
その能力を持ちながら、人と共に生き、人と共に仕事をする力。
ラゴット・ロマニョーロという犬種が、
100年後もラゴットらしくあり続けること。
それが、ENSO Garden Kennelのブリーディングです。