
Health & Genetic Tests
Lagotto Romagnoloの遺伝子疾患
ENSO Garden Kennelでは、
繁殖に使用する犬について、
ラゴット・ロマニョーロで確認されている遺伝性疾患を中心に
遺伝子検査を行っています。
遺伝子検査は、Carrier(保因犬)を繁殖から排除するためのものではなく、
Affected(発症リスクのある遺伝子型)の子犬を生まない交配を設計するために利用しています。
Carrierであることだけを理由に繁殖から除外すると、
犬種全体の遺伝的多様性を狭める可能性があります。
そのためENSOでは、検査結果を正しく把握したうえで交配相手を選択し、
遺伝的多様性をできるだけ維持しながら、遺伝性疾患のリスクを管理していくことを大切にしています。
Epilepsy (JE)(Juvenile Epilepsy)
若年てんかんラゴットで知られる遺伝性神経疾患の一つで、
一般にBenign Familial Juvenile Epilepsy(BFJE)と呼ばれます。
典型的には生後5〜9週頃に発作が始まり、
多くは成長とともに自然に消失します。
血液検査・PCRによってノーマル・キャリア・アフェクテッドの判別が可能です。
LSD(Lagotto Storage Disease)
ライゾーム病
ラゴットに発症する進行性の神経系遺伝性疾患。
細胞内の酵素欠損により老廃物が蓄積する先天性代謝異常で、
生後4ヶ月〜4歳頃に発症します。
歩行困難・頭部の震え・視覚異常などが見られ、
進行すると自力生活が困難になります。
血液検査・PCRで判別可能です。
Furnishing
Furnishingは、ラゴットらしい口吻や眉周辺の被毛形成に関係するRSPO2遺伝子の形質です。
Furnishingを持たない個体では、
犬種標準とは異なる顔周りの被毛(Improper Coat)が現れることがあります。
PRA
進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)は、
PRA(Progressive Retinal Atrophy)とも呼ばれ、
網膜が徐々に薄くなり、最終的に失明する眼疾患です。
当犬舎では繁殖前に遺伝子検査を行い、
常染色体劣性遺伝形式が確認されている疾患については、
検査対象となる遺伝子変異について
Affectedの子犬が生まれない組み合わせを選択しています。
ただし、遺伝子検査によって
すべての遺伝性疾患や将来の疾病を予測・排除できるものではありません。
股関節形成不全への取り組み
股関節形成不全は遺伝的要因だけでなく、
成長期の環境(体重・運動・床環境)が大きく影響します。
親犬が正常評価でも一定のリスクは残りますが、
血統選択と育成環境の両面からリスクを下げることができます。
■ 当犬舎の取り組み
当犬舎では、股関節形成不全のリスクをできる限り抑えるために、
血統選択と成長環境の両面から管理を行っています。
1. 血統選択
繁殖に用いる犬については、股関節の評価(HD)を確認し、
HD-A(正常)を基本とした組み合わせを重視しています。
また、数値だけでなく、
-
実際の歩様(動きの滑らかさ)
-
関節の安定性
-
日常的な運動能力
といった、実際の身体機能も含めて総合的に判断しています。
2. 自然環境での育成
犬たちは、滋賀の自然の中で日常的に体を動かしながら育ちます。
-
山の起伏を使った自由運動
-
土や草の上での歩行
-
水遊びによる全身運動
これらはすべて、関節に無理な負担をかけることなく、
筋肉と関節の安定性を自然に育てる環境となります。
3. 成長期の管理
股関節形成不全は、特に成長期の影響を強く受けます。
当犬舎では以下の点を重視しています。
-
急激な体重増加を避ける食事管理
-
滑りにくい床環境の確保
-
年齢に応じた無理のない運動量の設計
これにより、関節に過剰な負担がかからないよう配慮しています。
最後に
股関節形成不全は、現在の獣医学においても
完全にゼロにすることはできない疾患です。
しかし、
-
適切な血統選択
-
成長期の環境設計
この2つによって、そのリスクは大きくコントロールすることができます。
ENSOでは、見た目の美しさだけでなく、
**「しっかりと動ける体」と「長く健康に過ごせること」**
を大切にしながら繁殖と育成を行っています。
寄生虫やジアルジアについて
海外の犬舎では自然環境で生活する犬も多く、
寄生虫やジアルジアなどが見つかることがあります。
そのため当犬舎では定期的な検査と駆虫を行い、
子犬をお迎えいただく前に健康状態を確認しています。
ジアルジアは犬の生活環境から感染する可能性のある原虫であり、
特に多頭飼育環境では環境中からの再感染も起こり得るため、
完全な排除が難しい側面があります。
また、感染していても成犬では症状を示さないことがあり、
検査結果だけで感染の可能性を完全に否定できるものでもありません。
そのため私たちは、「一度も検出されないこと」だけを目標にするのではなく、
日常的な糞便処理や清掃、定期的な検査、
必要に応じた治療を行い、
感染や再感染のリスクをできるだけ低く管理することを大切にしています。
同時に、適切な栄養、安定した生活環境、
過度なストレスを避けた飼育によって、
子犬自身の健康状態を良好に保つことも重要だと考えています。
ジアルジアが検出されたことだけをもって、
その犬舎の衛生管理が悪い、あるいは不適切な繁殖環境であると判断できるものではありません。
大切なのは、正しい知識を持ち、
検出された場合に適切な検査・治療・衛生管理を行うことだと考えています。
ラゴットの健康については様々な情報があり、
飼育環境や繁殖方法についても多くの考え方があります。
私たちは、親犬の健康状態を把握するために
遺伝子検査や健康診断を行い、
できる限り安心して子犬を迎えていただけるよう努めています。
当ケンネルの親犬たちは、
悪天候時を除き、一日中室内だけで過ごすことはほとんどありません。
十分に身体を動かし、
必要な栄養を摂り、
安心できる場所でしっかり休む。
とても基本的なことですが、
犬が心身ともに健康な状態を維持するためには、
適切な運動と食事、休息、そして過度なストレスのない生活環境が大切だと考えています。
遺伝子検査や健康診断だけで、
将来のすべての病気を防ぐことはできません。
だからこそ、繁殖に使う親犬自身が心身ともに健康であること。
そして、その健康を日々の生活の中で維持することも、
健康な子犬を育てていくための大切な土台のひとつだと私たちは考えています。
また、私たちはブリーダーですが、
私たちのラゴットたちも継続してトレーニングに通っています。
ラゴットという犬種をどのように育てればよいのか。
人と一緒に暮らしていくために何を教える必要があるのか。
犬たちと実際に生活し、トレーナーから学び、
一頭一頭の成長を観察しながら得たことを、
日々の飼育とこれからの繁殖に生かしています。
当ケンネルの繁殖回数について
日本では、母犬の生涯出産回数は6回までと定められています。
しかし私たちは、「6回まで認められているから6回出産させる」という考え方ではなく、
母犬の健康状態や身体的負担、
その後の生活まで考えて繁殖計画を立てることが大切だと考えています。
そのためENSO Garden Kennelでは、
母犬の生涯出産回数は原則として3〜4回までとし、
その後は繁殖を引退する計画です。
出産回数だけではなく、初産の時期や出産の間隔についても、
母犬の身体的・精神的な成熟と回復を考慮します。
初めての繁殖は最低でも1歳半を過ぎてからとし、
原則として2歳前後からを目安としています。
また、出産後は母犬が十分に回復できる期間を確保するため、
次の出産まで最低9か月、基本的には1年以上の間隔をあけて繁殖を計画します。
もちろん、すべての犬に同じ回数の出産をさせるわけではありません。
妊娠・出産による身体的負担、体質や性格、
年齢、出産後の回復状態などを見ながら、
その犬ごとに繁殖を継続するかどうかを判断します。
また、生まれた子犬に繁殖上考慮すべき遺伝的・先天的な問題が確認された場合には、
その原因や遺伝形式、親犬との関連を確認したうえで、
必要に応じて繁殖計画を見直し、繁殖ラインから外すことも含めて判断します。
繁殖犬である前に、一頭の家庭犬として生涯を健康に過ごすこと。
私たちは、子犬を残すことだけではなく、母犬自身のその後の生活まで含めて繁殖だと考えています。
日本で一番毎日を楽しんでいる繁殖犬
繁殖犬とはいえ、私たちにとっては家族の一員です。
毎日一緒に暮らし、コミュニケーションをとり、
家庭犬と何も変わらない生活をしています。
トレーニングにも通い、ラゴットという犬種の特性や、
人と一緒に暮らしていくために必要なことを、私たち自身も犬たちと一緒に日々学んでいます。
繁殖犬としての役目を終えたあとも、それまでの生活が大きく変わることはありません。
山を駆け回って、穴を掘って。
夏は川や琵琶湖で泳ぎ、冬は雪遊び。
年齢や体調に合わせながら、今までと変わらず、
その犬らしく楽しい毎日を過ごしてもらいたいと考えています。
繁殖を引退した犬たちは、基本的には当ケンネルや私たちの自宅でそのまま暮らします。
ただし、すでにENSOから犬を迎えてくださったご家庭などから希望があり、
その犬自身の性格や生活環境を考えて
「この子にとって良い選択だ」と判断できた場合に限り、
新しい家庭への譲渡を検討することがあります。
ですが、繁殖を終えた犬を譲渡しなければ成り立たないような犬舎経営はいたしません。
犬たちが私たちに向けてくれる100%の信頼を裏切らないこと。
繁殖犬として何頭の子犬を残したかではなく、生涯を終えるその時まで、
「ここに来てよかったな」
と犬たちに思ってもらえるような環境をつくること。
それも、私たちがブリーダーとして大切にしていることのひとつです。
Generic Test result Results
当ケンネル繁殖犬の検査結果

